学術研究&研究データ
いま、シンギング・リン®は、第⼀線で活躍する専⾨家から熱い注⽬を浴びています。
その音響について、そして音響が我々にどのような影響を与えるのか、様々な実験を行いました。
体内生体水のエネルギー変化測定
ツエンコヴァ・ルミアナ 教授 ・ゆの里アクアフォトミクスラボ学術実験
2021年11月、シンギング・リンの音響が水にどのような影響を与えているか、ゆの里アクアフォトミクスラボとの学術実験が行なわれた。体内細胞水の個別実験は12名、グループ実験は35名、さらに流水実験なども行なわれた。
アクアフォトミクスは、2005年より神戸大学農学部大学院のツェンコヴァ・ルミアナ教授が提唱している新しい科学分野の
ことです。その手法を用いて体内の水の状態を測ることで、体内で起きていることを知ることができます。
被験者のデータを分析した結果、シンギング・リンの音響効果により、被験者の体内の水は、演奏開始3分後に活性し始め、
5分後に大きく活性することがわかり、被験者全員に似たような動きがみられました。
また、シンギング・リンは、純正律で倍音を奏でる事も再確認しました。
写真1:個別実験風景
写真2:グループ実験風景
3つのお椀型楽器それぞれの特徴
制振⼯学研究会
うなりが⻑く複数の⾳が発⽣するシンギング・リン
振動関連の研究会である制振⼯学研究会は、2016年3⽉よりワーキンググループを⽴ち上げ、シンギング・リンの特徴的な⾳響の仕組みの分析・解析を⾏っています。
まずは、2016年度に発表された研究結果を改めてご報告いたします。2016年度は、シンギング・リンの⾳響・振動特性が、チベタンボウル、クリスタルボウルと⽐較して、どのような違いがあるかの検証が⾏われ、以下のことが判明しました。
チベタンボウル:複数の⾳が同時になる奥深い⾳⾊で、うなり(⾳が周期的に⼤⼩を繰り返すこと)は短い。(⾳が早く消えてしまう)
クリスタルボウル:クリアな単⾳で、うなりが⻑い。(メロディーを奏でやすい)
シンギング・リン:複数の⾳が発⽣するうえ、うなりが⻑い。このことはすなわち、「豊かな⾳⾊が⻑く続く」と換⾔することができる。この実験結果から、シンギング・リンは、これらの⾳響楽器とは、⼀線を画した⾳響特性を持つことが判明したことになる。シンギング・リンがこうした特性をもつ理由として同研究会は、「シンギング・リンのきわめて精巧な形状と合⾦の配合⽐率によるもの」と分析しています。
⼼が穏やかになることを「感性アナライザ」が証明
満倉靖恵 慶應義塾⼤学教授、博⼠・電通サイエンスジャム
脳波を用いてリアルタイムに感情が計測できる世界初の装置を用いて5つの感情(「好き」「興味」「集中」「ストレス」「沈静度」)を解析し、評価結果をビジュアル化した「感性アナライザ」は、慶應義塾⼤学の満倉靖恵教授が電通サイエンスジャムと共同開発しています。
感性アナライザを用いて被験者 110 ⼈にシンギング・リンの施術前後の変化を⽐較しました。
シンギング・リンを頭の上、⽿の横、⾝体の上、⾜元に置いて鳴らす施術を行い実験しました。
その結果、110名中81%(89人)のストレスが低下し、79%(87人)の沈静が上昇することが確認できました。また、施術後は施術前より、ストレス度が平均24.1%下がり、沈静度は平均72.3%上がっていることが判明。リンを聴いて⼼穏やかになることが最新の科学で証明されました。
ストレス度が下がった例(110⼈中89⼈、平均24.1%ダウン)
沈静度が上がった例(110⼈中87⼈、平均72.3%アップ)
感性アナライザによる高齢者の脳波測定
満倉靖恵 慶應義塾大学教授、博士・電通サイエンスジャム
⾼齢者にもリラックス効果があるシンギング・リンの⾳響
2018年6⽉、「感性アナライザ」を⽤いて、⾼齢者を対象にした脳波測定実験が⾏われました。
今回は60歳以上の⾼齢者に対し、シンギング・リンの⾳響がどのようにリラックス効果を与えているのかを検証しました。
各被験者のシンギング・リン施術前の60秒と、施術後の60秒の平均値変化(23名分のデータを使⽤)
⾼齢者の施術でも「ストレス度」が減り「沈静度」が上昇
⾼齢者23名を対象に⾏った本実験の解析の結果、各被験者の平均値変化を⾒ると、23名のうち83%(19名)のストレスが低下し、78%(18名)の鎮静が上昇することが分かりました。
2017年に110名の⼀般⼈を対象に⾏った実験では、81%のストレスが低下し、79%の沈静が上昇することが確認できました。今回の実験結果からみると、⾼齢者の場合でも、ストレスの低下・沈静上昇と、同じ傾向がありました。このことから、⾼齢者もシンギング・リンの⾳響によってリラックスし、落ち着くことが出来ると考えられます。
シンギング・リン®の⾳響解析
制振⼯学研究会 『振動⾳響解析ワーキンググループ』
2017年12⽉8⽇、東京都⽴産業技術研究センターにおいて、制振⼯学研究会・振動⾳響解析ワ ーキンググループによる「シンギング・リンの振動・⾳響解析 その2」の研究発表が⾏われました(発表者は⿊沢良夫准教授/帝京⼤学理⼯学部機械・精密システム⼯学科)。今回は、2017年度の同研究会の主な研究内容と、昨年度の発表も合わせてご報告いたします。 制振⼯学研究会技術交流会において帝京⼤学理⼯学部・⿊沢良夫准教授より振動⾳響解析の研究 結果が報告されました。
3つの⾳がありえないほどきれいな整数⽐を構成する
2017年度は、シンギング・リンの⾳響特性の「うなり」が⻑く、複数の⾳が発⽣する」要因につ いて、さらに詳細な研究が進められました。 同研究会がシンギング・リンの発する「3つの⾳(4 の⾳、6 の⾳、8 の⾳)」の各固有振動数を分析し、⽐較した結果、「3つの⾳が整数⽐を構成している」ことが判明しました。 これはかなり画期的なことで、「偶然ではありえないほどきれいな整数⽐」だそうです。「整数⽐を構成する」とは、3つの⾳同⼠が互いのうねりの周期を打ち消し合わずに、調和した状態で⻑く共存・持続できる状態になっている、ということを意味します。 同研究会は、なぜシンギング・リンが出す3つの⾳がきれいな整数⽐を構成しているのか、その要因が形状にあるかどうかを調べるため、コンピュータシミュレーション技術のひとつである 「FEM」という⼿法を使った実験を⾏いました。
実験には、シンギング・リン「⼤地」と同じ直径で、3つの⾳が得られるように設計された、楕円体、円柱と半球を組み合わせた形状、円柱形状が使われ、3つの⾳がどのようなを⽐率を構成 するかについて調べました。 その結果、どの形状も「整数⽐を構成することはなかった」ということがわかりました。 つまり、3つの⾳が調和した振動を起こすというこの現象は、単に偶然によるものではなく、 「シンギング・リンの独特の形状に加え、素材断⾯の厚みのバランスなど、いくつもの要素が合 わさった結果」であるとし、「シンギング・リンと同じ⾳響を得るには、設計要素が複雑で、計算だけでの製作は難しい」と考えられるそうです。
今回の発表では他にも、漆塗装前のシンギング・リン素材と塗装済みの同素材を使った⾳響への 影響の⽐較分析が⾏われ、その結果、「漆塗装による⾳響への影響は観測されなかった」ことが 判明しました。つまり、漆を塗ることで、シンギング・リン表⾯を酸化等による劣化から保護することの有意性が、今回の研究で科学的にも証明されたことになります。
発⽣⾳による固有の振動数を発⾒
4の⾳・6の⾳・8の⾳が発⽣し、美しい振動が起きていることをシミュレーションして解析した。それぞれの固有振動数が整数⽐を構成することによって、⻑い周期のうねりをもつ伸びやか な⾳が鳴り続けることが判明しました。
共鳴現象を科学的に分析
また同研究会は、シンギング・リンの「共鳴現象」(ひとつのシンギング・リンを叩くと離れた場所にあるリンも共鳴する現象)に関してもFEMを使って計算を⾏った結果、「共鳴現象が起こした」と発表しました。
2個のシンギング・リンのうち⼀⽅を鳴らすと別のシンギング・リンも共鳴して振動することが判明した。
⾚⾊:⾳を鳴らした(=振動した)リン
⻘⾊:共鳴で振動したリン
制振⼯学研究会『振動⾳響解析ワーキンググループ』
振動関連の専⾨学術研究機関である制振⼯学研究会は、東京⼯業⼤学、芝浦⼯業⼤学、⼯学 院⼤学、帝京⼤学、東京都⽴産業技術研究センター、Sion Inc.、シンギング・リン協会から のメンバーにて、2016年3⽉よりワーキンググループを⽴ち上げ、シンギング・リンの 特徴的な⾳響の仕組みの分析・解析を⾏っています。